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三浦展『下流社会 新たな階層集団の出現』 [日常読んだ本]

下流社会 新たな階層集団の出現

下流社会 新たな階層集団の出現

  • 作者: 三浦 展
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2005/09/20
  • メディア: 新書


 相当売れている一方で、日本の階層研究の第一人者たる私のゼミの某教授があきれ気味にお怒りだったので、読んでみました。何が書いてあるかと言えば、題名そのもので、二極化ということが盛んに言われている現状の焼き直し。階層意識の「上」、「中」、「下」の人たちにそれぞれどのような特徴があるのかを調査結果を分析し、新書らしからぬ?強引さ、ぶっきらぼうさでレッテルを貼付けていく。

 単なるステレオタイプの、二極化言説の大衆への再生産じゃないか!これは確かに研究者は怒るでしょうね、といった印象。ただ、マーケティングを専門とする三浦さんの手つきはアカデミズムのそれと違うことは当然だろうし、おそらく前者の意味においてこの本の中身も理解すべきなのではないか。あくまでも、「今の時代はクラウンじゃなくて、レクサスの方が儲かるよね」というテンションで読む。そうすると、目くじらを立てる必要もないのかなと思う。

 ゼミの某教授曰く、「なぜこれが売れるのかは考えないといけない」。事実として売れていることは、二極化していることを実感している人が多くいるからであろうし、本当の意味での二極化に舵がきられつつあることもまた確かであろう。「未来」を扱うことは「学問」ではないのかもしれない。赤門のなかから彼らは何を考え、社会へと還元していくのだろうか。


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